かいじゅう版 松阪市議会通信 vol.6 2004年1月5日発行 12月・1月合併特大号
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特集 松阪市の合併問題
  議員の在任特例に反対です。
  合併と同時選挙が市民の声。

 新・松阪市に議員80人は不要。

 松阪市と飯南町、飯高町、嬉野町、三雲町の合併で問題となっているのは議員の在任特例です。
 合併後ただちに新しい松阪市の市議会議員選挙をおこなえばよいのに、1年4か月も、5市町の現在の議員80人余が新松阪市議会議員として在職を続けるという特例です。これによって1億8千万円が余分に支出されます。
市長は合併と同時に失職するのに、なぜ議員にだけ、このような特例が与えられているのでしょうか。
それは、この特例が、議会が合併に反対すれば合併が進まなくなるため、議会の議決を得られやすくする、合併促進のためのアメだからです。法定数34人の新松阪市に80人を超す議員が在職する必要はありません。
わたしは、反対します。

INDEX
●特集・松阪市の合併問題
1〜3ページ
●11月臨時会、12月定例会の本会議から
4〜5ページ
●12月定例会の一般質問全文
6〜10ページ
●2003年、そして2004年
11〜12ページ
●編集後記  

公職選挙法の規定で、議員は年賀状を出せません。

ご理解よろしくお願い致します。

新・松阪市には新しい議会を

 本来、合併して新市が生まれれば、現在の市長は市長でなくなり、議員も議員ではなくなります。しかし、合併特例法では、議員には新市誕生後も最大2年間在任できるよう特例を定めています。合併協議を進めても最後の最後で議会による議決がなければ合併できなくなってしまうからです。
 合併協議では、そもそも本当に合併は必要なのか、合併したら効率的な行政運営は可能なのかといった基本的かつ大事な論議は素通りして、事務(制度、使用料、手数料など)のすり合わせばかり、おこなわれてきました。しかし、これもおおむね終わり、あとは「議員の定数及び任期の取り扱い」などわずかを残すばかりとなりました。
 在任特例を1年4か月適用し、新市誕生後も5市町の80人を超す現議員が議員であり続けられるよう話し合いを進めてきたのは、松阪市と4町の正副議長懇談会、松阪市合併対策特別委員会です。
 新市の法定数は上限34人です。80数人が合併後の1年4か月在職した場合、議員報酬は4億9900万円に上り、合併して50日以内に市長選と同時に市議選をおこない、定数を34人とした場合と比べ、1億8千万円も出費が増えます。

在任特例適用のヘンな理由

 正副議長懇談会などでは在任特例の適用について、「未調整事項に対する住民の不安を解消する」「合併によって行政面積が広くなって住民の声が反映されなくなる恐れがあることから一定期間、合併前の議員が在職し旧市町の地域の意向や計画を十分理解したうえで新市のまちづくりに反映させる」ことなどを理由に挙げています。このほかにも、「合併協議に携わった議員が(合併後の新市計画を)見届ける責任がある」「新しいまちづくりの予算は平成18年度から本番。同年度の予算が審議・議決されるまで在任期間とすることで、事業の執行状況を見届ける責任が果たされる」としています。
 しかし、これらの理由は、初めに「在任特例ありき」で、合併協議に参加している市民委員会や自治連合会などに反対論が強いと知って付け加えた内容です。新しい松阪市のあり方に対して、現在の議員が意見を反映し、見届けていく責任があるというのは大変おこがましい話です。
 例えは悪いですが、落選した議員が「自分は翌年度まで予算の執行を見守っていく責任がある」と言っているようなものだからです。

行政圏拡大の問題は、
みんなにとって共通の課題

 新たに選んだ議員で構成された議会で新しい松阪のあり方を見つめていけばいいのです。十分に勉強し、調査し、真摯(しんし)に議会のあり方、松阪市のあり方を考えていくことができる議員であれば、初めてであっても審議を託すことはできます。
 また、行政面積が広がることへの対応は、1つの都市としての課題の解決となります。
 不安が強いとされる山間の旧町の問題も、行政面積の拡大と関わる問題です。広大な行政圏を選ぶ以上、当然付きまとうテーマで、旧町の議員の数の多い少ないにかかわらず、重要課題ととらえていかなければならないのは明らかです。
 しかし議員は34人もいればそれで十分です。80人も要りません。

松阪城跡

 

11月臨時会 12月定例会の本会議から
●11月臨時会
11月の臨時議会は、平成14年度の歳入・歳出決算でした。わたしが本会議でおこなった発言の中から、議会費について述べた部分を抜粋して掲載します。


【議会費】
決算は、のちの年度の予算を編成するうえで目安となる政策評価の場となります。議会費も例外であるはずはありません。
平成14年度決算の議会費には、議会活動費927万円があがっています。議会活動費の多くは旅費で、行政視察旅費が710万円と最も多くを占めています。
行政視察旅費の中で一番支出が多いのは常任委員会の視察です。議員全員で400万円、一人当たり13万円となる計算です。ちなみに15年度は1人当たり12万円、計336万円になるようです。
財政事情が一段と厳しさを増す昨今、こうした予算に対する厳しい査定と見直しは不可欠です。
今日、市町村合併時の議員の在任特例について市民の関心が高くなっています。これは議員の身分と報酬、在任期間についての扱いをめぐる議論が中心となっていますが、合併後の新市に向けた議会のあり方も検討課題となっていけばと願います。

●12月議会の議案質疑を振り返って
12月定例会に出された議案のうち注目をしたのは、公の施設の管理運営を民間会社に委託してもよいとした地方自治法改正に伴う公の施設に係る指定管理者の指定手続き条例です。
 12月議会を迎えるにあたって、一般質問では、『市民満足度の高い「公の施設づくり」〜「ハコは造ったが魂入れず」の管理運営から脱皮し、利用する市民起点の公共サービスを目指すための方策づくり〜』をテーマに取り上げようと、準備を進めていました。
 わたしは、議員としてはまだ初心者マークですが、20年近い新聞記者時代の大半を松阪で過ごしたおかげで、松阪市の公共施設を随分と見てきました。そんななか思っていたのは、公共施設はたくさん造ったけれど、造ったあとの利用者の満足度はお世辞にも高いとは言えない現実でした。
 松阪公園の石垣の下にある社会教育センター(中央公民館)は、昭和52年(1977年)にオープン。現在の歴史民俗資料館にあった市立図書館が社会教育センター1階に入りました。しかし、図書館はそれからわずか10年後の昭和62年(1987年)には現在の所に移転してしまったのです。それ以来、社会教育センターの1階はたまにしか使われていません。
 なぜ、そのような無駄がおこなわれたのか、わたしには理解できません。

 では、現在の図書館の利用者満足度はどの程度でしょうか。人口5000人の勢和村の図書館の年間貸し出し冊数は10万冊。人口12万人の松阪市の図書館は20万冊です。あまりに寂しい比較です。
 図書館のほか、市民文化会館、産業振興センター、総合体育館など、たくさんありますが、利用者満足の度合いはどんなものでしょうか。
 他の自治体の公共ホールならかなり早くから市民の知恵と参加を集めて市民起点のサービスの提供を模索した事例(四日市市、多気町etc)もたくさんありましたが、松阪市だけはそれを拒み、市民の望むホール運営とはかけ離れたままでした。
 松阪市の弱点はここにあるのではないか。
 そんな思いをまとめたのが今回の一般質問でした。
ちょうどそんなんな折出てきたのが議案としての条例案です。
 従来、公共施設の管理は、市の出資法人か公共団体にしか委託できませんでしたが、法改正で株式会社にも委託ができるようになります。そのための条例整備です。
 必ずしも民間委託が正しいとは限りませんが、「官」100%だけが公共サービスを提供する時代ではありません。民間会社やNPOを含めた多様な団体が「公共」を担っても十分にサービス提供能力を備えており、必要に応じ、いくらでも自治体に代わって公共のサービスを提供する用意があるでしょう。
 まったく偶然でしたが、一般質問の題材と議案が重なり、1つのテーマを切り口を変えて追及することができました。

初代図書館
明45年(1912)〜昭52年(1977)
65年使用し、なお、歴史民俗資料館として健在。
1977年まで松阪市立図書館として使われていた現在の歴史民俗資料館。松阪公園内にあるため、夏は木陰をいかし、屋外に読書用テラスも設け、緑陰文庫としていた。現場の職員の感性が光った。
 
2代目
昭52年(1977)〜昭62年(1987)

わずか10年しか使用せず。現在、ほとんど空っぽ。
市立図書館としては、77年からわずか10年しか使用されなかった社会教育センター(中央公民館)。ほとんどの空きスペースとなっている1階のフロアがもったいない。
 
3代目
昭和62年(1987)〜
現在の図書館。
1987年から使われている現在の松阪市図書館

 

12月定例会の一般質問(全文)

【テーマ】
市民満足度の高い「公の施設づくり」
〜「ハコは造ったが魂入れず」の管理運営から脱皮し、
利用者起点のサービスを目指す方策〜

「選ばれる」自治体になろう
●松阪市のホームページ「さあいこう松阪競輪」
 他の自治体の動向を見ていると、都市間競争が始まっていると思う。何を持って自治体の魅力とし、どの街に住もうか、住民が選択する。つまり、「足による投票」がおこなわれる。松阪市は、どれだけ、街の魅力を発信しているのか。松阪市のホームページには「おすすめ情報」として、いの一番に掲載されているのが、「さあいこう松阪競輪」である。これが一番のおすすめ情報というのは悲しい。


競輪が一番大切なのか。トップに松阪競輪が登場する松阪市ホームページ
(参考 松阪市のホームページへ)

●西東京市のホームページ「西東京市に住もう」
 田無市と保谷市が合併して生まれた西東京市(人口18万人)のホームページを見ると、「西東京市に住もう」というコーナーがある。これ、面白いと思います。
 そこにはこう書いてある。
 「西東京市は23区に隣接し、電車・バス・車など交通の便が良い街です。市内での買い物も便利で、駅前から一歩離れると緑豊かな住宅地が広がります。引っ越し先をご検討の方に西東京市のセールスポイントをお知らせします」
 そして、「通勤に便利」「買い物に便利」「マルチメディアの街」「子育てに便利」「不動産屋さんを探す」の項目でこの街の強みをアピールしている。
 東京近郊は、23区に対し、武蔵野市や三鷹市が住環境で人気だが、それらと比べ、マイナスイメージの先行した田無市と保谷市が合併し、西東京市となったことでイメージアップし、競争力を付けた。23区の練馬区に隣接する立地条件を生かし、同市は「新宿、池袋まで20分以内」と住民誘致に努めるわけです。
 
「選ばれる」自治体になることが大切です。そのためには、市民満足度の高い行政サービス、公の施設づくり〜これは、必ずしも新しいものではなく、『元気』のなくなった既存の公の施設を上手に活用・再生することを中心に考えるものです〜と共に、魅力づくりをしその魅力を知ってもらわなければならない。
魅力の出し方として、競輪のPRでは控えめに言っても悲しい。
かといって、インターネットでウソを言うわけにはいきません。
 「選ばれる自治体」になるために大事なのは、市民起点の発想で本当の街の魅力をつくりだすことです。
 「松阪市はすごい」と言われるものを何か一つ、つくりたい。
市長、そう思いませんか。


西東京市に住むメリットを知らせ、住民誘致を訴える同市のホームページ
(参考 西東京市のホームページへ)

●勢和村立図書館のケース
 そこで、ひとつ、参考のために、お隣の勢和村のケースを紹介しましょう。
勢和村立図書館は、人口5400人の小さな村の図書館です。年間貸し出し冊数は10万5700冊。それに対し、松阪市立図書館は21万6900冊。勢和が人口6万人だったらタイですが、その10分の1足らず。それと12万都市・松阪との比較なんですよ。
 実は勢和村民がよく本を読んで、松阪市民が読まないという話ではなく、貸し出しがよそにも開かれていて貸し出し登録者数は村の人口より多い5900人。60.54%は村外の人。飯南、飯高町民を合わせて1000人を超しますが、一番多いのは松阪市民で1291人。松阪市立図書館とは目と鼻の先の川井町方面の方もみえます。
 それほど、この図書館は魅力を放っているんです。
理由は、スタッフの方の図書館経営に対する明確なポリシーがあり、図書館に人々を引き寄せて、リピーターとして何度もやってきてもらえるよう絶えず工夫をしているという点です。行けばいつも新しい発見があります。
 一種の逆転の発想ですが、勢和村立図書館では、「にぎやかな図書館づくり」をしているというんです。小さな子ども連れの親子大歓迎。放課後は子ども達でごった返します。スタッフの方がお客さんの顔を見て世間話をします。そのことによって、流行や世相などを知り、どんな本を置いておくことが必要かを判断するための参考にするといいます。図書の購入リクエストは年間1000件以上あり、そのうち、7割は購入を実現、残る3割は相互貸借制度で他図書館から借りています。
 「足による投票」に従えば、この図書館があるから勢和村に住もうということになかもしれない。

 図書館というハコより、スタッフたちの取り組む姿勢が功を奏しています。開館以来、村当局がとってきたバックアップも大きかったと思いますが、この例は、どこの自治体も、市民満足度の高い「公の施設」づくりはできるということを示しています。

松阪市の公の施設
 さて、松阪市にはたくさん公の施設があります。
 松阪市はさまざまなハコ物を造ってきた。
例えば、28年前 総合体育館(昭和50年)、25年前に社会教育センター(昭和52年)、20年前に市民文化会館(昭和57年)、15年前に産業振興センター(昭和63年)、市立図書館(昭和62年)、観光情報センター(昭和61年)など、さまざまです。
 しかし、それぞれの施設に「元気」が見られません。
市立図書館としては、77年からわずか10年しか使用されなかった社会教育センター(中央公民館)。ほとんどの空きスペースとなっている1階のフロアがもったいない。
 社会教育センターは、昭和52年(1977)に、それまで松阪公園にあった図書館と、中央公民館を核施設にしてオープン。しかし、わずか10年後の昭和62年には新図書館が現在地にオープンしたことで、1階はほとんど空きスペースとなっています。
 市民文化会館は、市民文化の殿堂として華々しくオープンしながら、年間、3回ほどの自主事業があるのみで、入場者も1400人の定員に対し3回合わせて1500人しか入らないなど振るわない。
 総じて言えることは、どのような施設づくりをしていきたいのか、その施設ならではの方向性を持った「顔」が見えてこないという点だ。建物は造るが、そのあとどうするかがない。
 わたしは、このあたりが松阪市の弱点だと思うので、どうしても変えていかなければならない行政文化だと思いますが、市長、対策を検討していただけますか。 
 よそから松阪市に住んでみたいという「足による投票」で「選ばれる自治体」を目指さなければいけない。新しいハコものである必要はまったくない。なぜならハコはいつか必ず古くなる。それよりも、その活用である。活用できる人材である。そういった人材を育てることである。
 前にも触れましたが、福井県鯖江市には、(これが、松阪の中央公民館の1階とそっくりなんですが)古い市立図書館を市民活動センターに転用している事例がある。四日市では旧小学校の校舎をまるごと市民活動センターに転用して評判を呼んでいる実例がある。
 そのように知恵をいかしさえすれば、魅力を発信しる施設運営は可能になると思う。松阪でもカリヨンビルや中央公民館の1階、観光情報センターの3階の上手な活用など、いくらでも考えることはあるはずだ。市長、どう思われますか。
 昨日の答弁で総合政策部長は、近くオープンする市民活動センターについて「最初の1年は、公共が開設し、運営は市民に任せる公設民営ではなく、公共が開設し公共が運営する公設公営方式をとると答えられた。やむを得ないことかもしれないが、市民に参加を呼び掛けてどのような運営方法が望ましいか公開で討論する場をコーディネートしてはどうか。市民活動センターの性格上、行政がまったく内々に方針を決めてしまうことは望ましいことではない。いまからでも市民に参加を呼び掛け一緒にえていくムードを醸成してはどうか。そうした情報発信自体が、街の元気づけであり、人づくりだ。
 そのことをわかってほしい。
 そして、オープン後で良いから、一度広く市民に参加を求めて、どのような方法をとれば画期的なセンター運営が可能かを公開の場でプレゼンをおこなう市民コンペで競わせるなどし、とことん、市民と行政が一緒になってあるべき姿を追求していってほしい。そんななかから、まちづくりを担い、コーディネートしていける人づくりにつながると確信しちえる。市民活動センターを目指すなら、行政にはこの部分において行政の責任がある。
 市民満足度の高い「公の施設」づくりのために、
総合政策部長、手を打っていただきますよう、よろしくお願いします。


市民が不愉快に感じる公の施設
 一方で、理想とはほど遠い所で、市民が不愉快に感じる公の施設の現場もありました。
 例えば、市民文化会館は、営利の興業であろうと入場料を取った場合、アマチュアの非営利な文化的イベントであろうと一律の高額な使用料を取り続け悪評判がたっていた。事態が改善されるまで実に20年を要すなど、官僚主義がはびこっていた。
 本来、施設は古くなるにつれ、例えば、文化の殿堂、体育の殿堂が生まれていくであろうに、松阪市の場合は、建物が古くなっていくだけで、施設がさびれると共に人が育つどころか去っていった。
 ほんの少しの融通と機転で利用者の満足度はうんと向上するのに、「規則がこうなっているから」「本庁の上司に聞いてみないと」などと杓子定規的な対応を続けるケースが、たぶん、もう過去の話だと思いますが目立った。市民は、公の施設の現場で、担当者と交渉することに徒労感を持ったものです。
 大きな体育スペースが空いているのに狭い部屋で大人数が練習するような矛盾も改善しにくかったりするようです。
一般論ですが、
●市民の声に耳を傾けず、四角四面の利用規程を改善しようとしない市の姿勢には
 「市民が主人公」という考え方の片鱗が見られない。
●現場で考えないということは、創造的に仕事に打ち込まないことを意味する。
 非常にマイナスな行政文化がはびこる。
 それは、「選ばれる自治体になろう」という目標に対して、ほんのささいなところ からマイナスの行政文化を見直し、プラスに変えていく自己点検活動から始めなけ ればならない。それが済めば、それぞれの施設固有の魅力の出し方を本気で検討願 いたい。このへんは、教育長にご意見を求めたい。

末端でなく、市民と接する先端(フロンティア)である。
●本来、出先は、末端でなく、市民と接する先端(フロンティア)である。
●現場担当者は「上司と相談しないと」とか「本庁に聞いてみないと」と答えたり、現場で判断しないのではなく、現場で判断できる裁量を与え、市民と一緒により使いよい「公の施設」のあるべき姿を考えていくべきである。
 公のサービスは役所が独占をする時代ではない。昨日議論した地方自治法の改正にもあるように、行政と民間とがサービスの質を競争する時代がやってくる。公のサービスが上で民間のサービスは下という時代ではない。これはわたしの経験であるが、かつて、旧社会主義国のポーランドで、ワルシャワの駅からベルリンへ行く夜行列車の切符を買おうと、「午後11時発、ベルリン行きを」と言ったら、「そんな列車はない」と言われた。時刻表を見せ「あるじゃないか」と言うと、「それは23時発だ」と大声で怒鳴られ、時刻表を投げつけられたことがあった。民の競争原理・市場原理が働かなかったころの遺物だ。
 だれが主役の公共サービスかという原点を忘れない現場づくりが必要だ。繰り返すが、出先は、末端でなく、市民と接する先端(フロンティア)である。
 横浜市港南区がこんなことに取り組んでいる。「よこはま“民感区役所”宣言」に取り組んでいますので、松阪市でも是非、参考にしていただければと思います。
 悪いことばかりでなく、最後に良かったことも報告させていただきたい。
 市民の目線に立った施設づくりをしていこうという動きも知っている。保健・医療・福祉総合センターの検討委員会の動きだ。検討委員会の様子を見たが、いつ造るかも未定なのに、あり方についての論議がしっかりおこなわれている。ハードよりも、スタッフ・人づくりから議論に入っている。構想の段階から市民が参画していく事業手法である。初めにハコありきではなく、初めに魂から入れる手法だ。このプロセスをできるだけ多くの市民に共有してもらえるよう、知らせることも必要だ。
 こうした作業を通し、職員も市民の側も育つ。結局は人が一番大事なんだと思う。
現場をプロデュースできる人材の育成は市長のスタンス1つであると思う。

市長の答弁
施設のつくり方、考え方にわたしもまったく同感の思いがある。わたしは、かねがね、市民が楽しめる施設、利用できる施設が市外の人、県外の人を呼んでくる魅力につながると思っている。原点は市民にある。保健福祉医療総合センターの建設にはやっぱり市民の衆知を集めたい。この発想のもとには(市民と行政が協働してつくった)鈴の森公園がある。社会教育センターなどについてもこれらと同じ目線でもっと活用できる方法を模索していきたい。

総合政策部長の答弁
1年間は市民活動センターの運営を民営でおこなっていくための準備期間と位置付けているので、ここでさらに深い議論を、利用者やNPOの皆さんでおこなっていただき、創意工夫のある運営を企画していきたい。公開の議論の場も用意したい。

教育長の答弁
利用者の立場に立った館やセンターの運営は、スタッフの自覚にあることは同感。何と言ってもひとりひとりの職員が気づくべきところに気づくということが出発点になり、気づきの積み重ねが活性化につながる。気づく職員に様変わりすることもきざしは十分に見えてきている。そこで、職員の気づきとそれを取り上げる組織づくりに取り組みたい。なお、条例や規則、館の運営を規制したり使用目的を定める条例や規則の改正に、職員がちゅうちょするところが過去にあったようなので、果敢にそれを突き破っていく職員集団を育てていきたい。

 

2003年、そして、2004年

【2003年に一般質問で取り上げたテーマ】 
         
(6月、9月、12月の各定例会で毎回おこないました)
〈6月〉
 1.大型事業を構想の段階から市民に知らせ、市民の意向を聞いてから具体化する仕組みづくり〜「農匠」型の政策決定から脱皮し、市民参加型に
 2.まちなかのにぎわい回復のための、市民参加型の総合行政
 3.コミュニティ再生のための地域支援
〈9月〉
 1.障害者支援費制度の利用上の問題点と行政上の課題
 2.郊外の住宅団地と公共下水道
 3.幼稚園の3歳児保育
 4.市民活動センターの開設について
〈12月〉
 1.市民満足度の高い「公の施設づくり」〜「ハコは造ったが魂入れず」の管理運営から脱皮し、利用する市民起点の公共サービスを目指すための方策づくり〜


【2003年の議案質疑で取り上げたテーマ】
〈5月臨時会〉 
 農と匠の里イングリッシュ・ガーデン(英国式庭園)
 の随意契約について
〈6月定例会〉 
 15年度補正予算案
〈9月定例会〉  
 14年度水道事業・市民病院の決算
〈11月臨時会〉
 14年度歳入・歳出決算「長年の慣習を見直さず、毎年度、予算化している補助金はないか」
 1.各種団体負担金に無駄な支出はないか、徹底した洗い直しを
 2.公共下水道事業の無理な計画が未払いを増加させている点
 2.議会費の見直し行政視察旅費710万円(議員1人当たり13万円)に対する抜本的な見直しを
〈12月定例会〉 
 公の施設の指定管理者の指定手続き条例

【参加した主な討論】
 〈賛成〉
  公の施設の指定管理者の指定手続き条例=12月定例会
 〈反対〉 
  農と匠の里イングリッシュ・ガーデン(英国式庭園)の随意契約=5月臨時議会

建設中の「農と匠の里」

【2004年に提案したい主要テーマ】
●歩行者や車椅子、自転車にやさしいまちづくり。
●小みちや水路、木々など身近な風景を大切にしたまちづくり。
●伝統的な建造物の保全と活用で潤いあるまちに。
●まちかどに空き店舗を活用したミニ図書館。
●若い人がボランティアに参加できる条件づくり。
●元気な松阪まちなか情報の発信と循環。

建設中の「農と匠の里」

 

議会の常識は市民の非常識
「市民の常識」と「議会の常識」とでは随分異なるものだという場面にたびたび遭遇します。フツウ、話し合いはよりベターな結論を見いだすために、みんな貴重な時間をさいてまでケンケンがくがくとやるもの。これは市民の常識。ところが、議会ではどうも違うらしい。オープンな場での論議は苦手というより、やらない。その代わり、密室論議が得意?慣例・慣習がすべてに優先して大事。これまでつちかってきた「議会の常識」がじゃまをして、新しい手法を採り入れることにはノー。このような議会の慣習にそまったら一人前の議員かもしれませんが、わたしはゴメンこうむりたい。

市民と一緒に、市民の議会に
 仮に、議員の在任特例が適用され、合併後1年4か月、80人の大所帯になれば、いまはまだ小さくてカワイイ会派もどんどん大きくなり、ますます「数の論理」がモノを言う議会になってしまうのではないかと心配しています。古いものは新市に引き継がず、きれいさっぱり清算したほうがすっきりします。
 議員の在任特例を適用するためのこじつけ(理由)が並べられ、新市での政策や執行状況を「見届ける責務」があると言っていますが、おこがましい、おこがましい。普段の議会でどれだけ市民が納得する議論をし、行政に対するチェック機関としての役割を果たしているというのでしょうか。
 自治体問題の専門家の間では「議会不要論」も古くて新しい問題として存在します。それでも、議会の常識ではなく、市民の常識に立てば、市民のための議会になります。いまから、市民に開かれ、市民とともにある議会を模索しなければいけません。

 

編集・発行人
海住恒幸(かいじゅう・つねゆき) 
市議会議員(1期目)
1958年(昭和33年)10月18日美杉村生まれ(44歳)松阪市立中部中学校、
三重県立伊勢高校を経て、82年(昭和57年)に早稲田大学教育学部卒業。
新聞記者となり、夕刊三重と読売新聞で20年、記者生活。勤務しながら、
2000年(平成12年)、松阪大学大学院修士課程修了(政策科学専攻)。雑誌
「伊勢人」(旧伊勢志摩)の伊勢文化舎で雑誌編集を学ぶ。

●メールマガジンも発行しています。
メールアドレス kaiju_t@yahoo.co.jp

 

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