かいじゅう版 松阪市議会通信 vol.3 2003年9月10日発行
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巻頭言
いま本気で市議会改革


松阪市議会議員の海住恒幸(かいじゅう・つねゆき)です。
「かいじゅう版 松阪市議会通信」第3号をお届けします。
特集は、「いま本気で考えなければならない市議会改革」です。
市民の皆さんと、議会の現状と課題、そして、この現状を変えていく
方向性について情報を共有し、これからの議会のあり方を一緒に考えていくひとつのきっかけにできればと、提案させていただくものです。

 

ホームページが新しくなりました

 

わたしのホームページが新しいものに生まれ変わりました。本市議会通信はそのままホームページでご覧いただけます。バックナンバーも公開しています。ホームページでは、松阪市や市議会のあり方、広くまちづくりについて市民の皆さんと一緒に考えていく場にできればと考えています。
アドレスも以下のように変わりました。

http://www.doh-net.jp/kaiju/

メールアドレス kaiju_t@yahoo.co.jp

 

9月定例会の日程
9月16日 開会(議案の提案、説明)
  19日 議案質疑
  24日 一般質問
  25日 一般質問
  26日 常任委員会
  29日 常任委員会
10月1日 議決


9月定例会の中心議題は、市民病院と水道事業の決算です。本会議はいつでも傍聴できます。
傍聴希望の方は、市役所3階から議会棟に渡っていただく通路がありますので、そちらからお越しください。しかし、初めての方には大変分かりにくい場所にあるうえ、案内表示も不十分です。市役所1階の案内にお尋ねください。迷われた場合は、どうか、付近の市職員にお尋ねいただきますよう、お願いいたします。
また、常任委員会の傍聴は、現在の制度のもとでは、ひじょうに不便ですが、委員会の開催ごと、委員会の了解を取っていただかなければなりません。午前10時までに、議会事務局(市役所正面玄関右の階段を上がった所を右へ進む)で受付を済ませるようにお願いします。
※議場への通路の地図を見る


特集・いま本気で考えなければ
ならない市議会改革

はじめに……
先に発行した「かいじゅう版 松阪市議会通信」の第1号(6月10日発行)、第2号(7月10日発行)は、かなり反響を呼びました(残部まだあります。必要な方は、お問い合わせください)。
 見ず知らずの方から「あんたが海住さんか。すみずみまで読んだよ」と言っていただいたり、「あんなに書いてくれるんだったらカンパでもしなきゃと夫と話していたんですよ」などと励まされたり。
 わたしは、新聞記者の仕事が長かったですが、新聞を手渡しでお届けし、ダイレクトな反応をいただくような経験はありませんでした。ミニコミならではの醍醐味かもしれませんね。
 さて、先々号以来書いてきました通り、市民の常識と市議会の常識とではだいぶ異なるようです。知れば知るほど怒りたくなるし、変えなければという思いが高まります。


【市議会の現状】

【本会議・場面1】
議長 「他に討論はありませんか」
   (議場から「なし」の声)
議長 「これにて討論を終わります。これより採決をおこないます。議案第3号に対する委員長の報告は可決であります。委員長の報告通り決するに賛成の議員の挙手を求めます」
   (賛成者挙手)
議長 「挙手多数であります。よって議案第3号は原案通り可決されました」

【本会議・場面2】
議長 「議案第15号について討論はありませんか」
   (議場から「なし」の声)
議長 「これにて討論を終わります。これより採決をおこないます。議案第15号に対する委員長の報告は可決であります。委員長の報告通り決するにご異議ありませんか」
   (議場から「異議なしの声)
議長 「ご異議なしと認めます。よって議案第15号は原案通り可決されました」

……………………………………………………………………………………………………

 【場面1】、【場面2】とも、過去の議事録から抜き書きした議決時の様子です。このとき、議会の傍聴に訪れていた市民はどのように思うでしょうか。
 「議案第3号」「議案第15号」と言われても、傍聴者には配付資料や解説がないので、なにが話し合われているのかさっぱりわかりません。目の前の本会議はセレモニーのようにたんたんと流れていきます。実に形式的なので、見ていても聞いていても意味を感じ取ることはないでしょう。
 これでは議会に「傍聴に来て」「議会に関心を持って欲しい」と言われても、訪れた市民はうんざりするだけです。忙しい合間にわざわざ来たのに、二度と来たくないと思う人もあるかもしれません。
 根本的には、市民の常識では理解できない議会運営の仕組み・しきたり(慣習)が問題です。あまり形式ばらずに、通常のわかりやすいことばに置き換えていく工夫や、傍聴者向けに説明や解説資料を用意したいものです。

 「地方分権」という言葉を聞かれたことのある方も多いと思います。
 三重県をはじめ、全国のいくつかの知事が「地方の側の論理」を発信し、それぞれの政策がたいへん注目を集めただけではなく、全国さまざまな市や町が変わりつつあるのも、地方分権の流れがあってこそです。それらは、知事、市長、町長ら首長のリーダーシップと、ユニークな発想と柔軟性、大たんな市民参加によって支えられています。
 知事や市長ら首長が変われば、街も変わることが実感されます。ただ、そんな中にあって、「遅れ」をとっているのが議会です。
「信頼も尊敬も期待もできない。なくともよい」と書いている大学の先生すらあります。では、どうなっていかなければならないのか。変わる可能性はあるのかないのか。 議会は変わらければならない。変わらなければ存在意義が問われます。

【審議の場としての市議会の問題点】

1.議会を「議論の場」に
 まず問題なのは、議会で議員同士の議論がないという点です。本会議では、議員は市長らに「質問」し、答弁をもらう形をとり、議員と市長のやりとりが基本となっています。質問し、答えを引き出したら、議員としての仕事をしたと見なされているのが実情です。
 それは委員会審議の場でも同じで、議員と市側担当者との間の質疑に形を変えるだけ。全員協議会という場も議員間の協議の場ではなく、本会議への提出事案などの事前説明の場や、事前調整(合意の取り付け)の場となっています。
 議会制民主主義の本場・英国では、議会で議員は討論をするのが役割だから、質問するのは恥ずかしいこととされているそうです。四日市大学の竹下譲教授によると、英国の地方議員の役割は、議員同士が徹底した議論をすることによって、議案について住民が理解できるよう手助けすることにあるといいます。また、議会で住民が発言でき、議決に参加できる地域もあるというのです。
 本来の議会の姿から言えば、初めに、市長から提出議案について説明を聞いたら、あとは、議案の中身の是非について、議員同士が時間をかけて徹底的に議論をし、原案通りの議決か修正か、否決かを決めれば良いことです。
 
2.会期制でなく、年中活動する議会に〜議員同士の議論を〜
 議会は、市長との質疑の時間はいままで通り確保するにしても、これとは別に議案に対する議会の意志を徹底した自由討議によってまとめる作業をおこなう必要があるでしょう。もちろん、一般公開です。
 そのためには、現在の議会のように、年に4回(6月、9月、12月、3月)、定例会の会期を設けるというやり方ではなく、年中開催していて、住民の意見も聴いたり、住民と議員が意見交換し、議決のための判断の材料にしていくことも大切だと思います。

3.独自の市議会づくりを〜松阪独自の議会ルールで〜
 市や町は市長や町長が変われば、新しい政策がつくられたり、組織が改廃されたりします。それまでは決してほめられないお役所仕事をしていたのに、市長・町長が代わったとたん、きびきびと住民の方を向いて仕事をするようになったなどという事例もどんどんと増えているはずです。
 それは、よその街と同じではなく、自分の街はこうしたいと個性や違い、魅力を出し、『住むならわが街へ』と都市としての優位性を示すことにもつながります。ところが、議会はどこの市や町に行っても、同じように運営されています。例えば、こんな調子で議事が進行します。「日程第1、議案第1号から議案第36号まで、及び請願1件を一括議題とし、これより各常任委員長の報告を求めます」などと。ひじょうに画一的です。 傍聴に訪れた人には、なんのことだかわかりません。もっと分かりやすい言葉を使いたいものです。
 議会というところ、何ごとも前例・慣例・しきたりを大事にするところです。しかし、いまは、行政でも生活者を起点にモノを考えるのが当たり前。議会も前例やしきたりという「議会の常識」にとらわれず、「市民の常識」に立ってモノごとを考えるようになれば、現状をどんどんと改善できるはずです。
 地方分権の時代なのですから、全国一律の議会運営をおこなう必要はなく、市民の常識・市民の感覚で、松阪だけの会議規則を作っていけばいい。この際、市民参加の制度を採り入れていいはずです。市民の声を聞きながら、どのような議会をつくっていこうか市民と一緒に考える。そのようにして、本当に市民の利益を代表する市議会を志向していく時期に来ています。いつまでも改革に着手しない議会は、市民から不要と言われてしまいます。
 

4.市民に開かれた市民参加の議会に
 女性議会や夜間・休日議会などが開催される例が増えてきていますが、大切なのは、議会が市民にとって身近で大事な存在になることです。
 そのためには、まず議会が市民の中に出ていかなければなりません。かしこまって議場の中で議事を進行するだけが議会ではありません。地域へ出ていって開催する出前議会があってもおかしくはありません。現在のようにほとんど傍聴者のない、閉ざされた空間の中で議会を開催するよりは、懸案となっているテーマによって開催場所を決めるなど、さまざまな方法が考えられます。
 議会への市民参加も重要な課題となります。
 昨年開催された女性議会は行事として議員を公募しておこなわれたものですが、市民と議会が意見交換したり、議案について議場で市民の意見を求め審議の参考にすることなど、従来の枠にとらわない、議会改革をめざしたいと思います。


 

ホームページのリニューアル


 8月27日付の朝日新聞によりますと、「変わる議員像」として、いま風の平均的な国会議員像は、「国会では立法活動に励み、インターネットのホームページで瞬時に発信」なのだそうです。特にホームページの開設数は9割。情報更新のペースは、「毎日」が12%、「数日に1回」が17%、「週1回」が29%と、けっこう皆さん、政策情報の発信に力を入れています。
 市区町村議会や県議会などの地方議員(自治体議員)に関する情報はありませんが、増えているのは間違いないでしょう。なぜなら、自分の街や自治体(松阪市)、議会のあり方について議員がどのように思い、どのようにしていきたいと考えているか、どんどんと情報発信し、意見をお聞きすることは当然必要な行為であるからです。そのための方法が「かいじゅう版松阪市議会通信」ですし、メールマガジンやホームページです。
 今回、ホームページをリニューアルしたのは、「かいじゅう版松阪市議会通信」とメールマガジンとホームページの三位一体化をとしていくためです。
 まず、ホームページを開いていただきますと、松阪のまちづくりや松阪の街の魅力について、わたし自身、書くエッセー(月2回の更新を予定)が登場します。左側のインデックスをご覧いただきますと、「かいじゅう版松阪市議会通信」やメールマガジンのバックナンバーの項目があります。
 わたしは時間と機会さえあればカメラで松阪の街の様子などを撮っており、撮りためた写真の一部をホームページで公開しています。写真を通して1人でも多くの方の、松阪の魅力発見につながればと願うからです。
 また、街中快住計画といいまして、わたしが考える街のあり方としてまとめたものも掲載しています。

コーヒーブレーク
自治体はカラーあるのに…

 わたしは新聞記者でしたので、松阪市や津市など県内の市町村のほか、春日井市や犬山市など愛知県の自治体も取材してきました。それぞれの自治体にはカラーがあり、市長の持ち味や、やる気のある職員の多い所とそうでない所で役所に入った雰囲気に大きな差があります。
 収賄事件で逮捕されるとウワサ(その後逮捕)のあったワンマン市長のいた小牧市では市職員が委縮し、議会は市長にいちべつされるとヘビ(市長)ににらまれたカエル(議員)のようにうつむいていたのが印象的でした。財政力で言えば、この自治体は極めて豊かでしたが、政策的には有り余るおカネの上にあぐらをかいた「居眠り自治体」でした。
 この市のお隣の犬山市では、春と秋の祭りには町会ごとの山車が繰り出す犬山まつりの世話役で大の祭り好き、しかも、城下町の伝統的な町並みの保全に情熱を注いでいた人が市長となり、ユニークな政策をどんどん発案し発信。犬山市は政策自治体として注目されています。
 自治体のカラーは千差万別です。
 が、不思議なことに、議会の審議だけはどこへ行ってもだいたい同じくらいつまらないものでした。
 地方分権時代に入って、県や市町は、それぞれの違いがいままで以上に鮮明になることでしょう。はたして議会はどうでしょうか。残念ながら松阪市議会を見る限り、変わらなければならないというエネルギーをまだ感じることはできません。しかし、全国的に見れば、議会に変化のきざしはあります。この夏、東京や四日市でおこなわれた勉強会に参加して、そう感じました。

「一般質問」再考

議会用語で一番知られているのが「一般質問」という言葉ですね。新聞にも登場することが一番多いのでよく知られています。一般質問は、「一般」とある通り、市政一般、何でも質問して良いという時間です。議員それぞれの問題意識や関心事に基づいて調査研究・検討した問題点・課題を行政にただします。議員の持ち味や違いが出るので、市民にとって開催中の議会の中で一番わかりやすく、また、自身の興味・関心事と重ねて市の考え方を知るうえでもきわめて有益な場です。
 ただ、一般質問は、市政一般、何でも質問して良いという分、当面の議案や予算の執行に関することとは無関係な内容も多いという性質を持っています。当面の課題という点では当然、予算の執行に関することなど議案審議の方が大切です。しかし、花のある一般質問に注目が集まり、肝心の議案審議への注目度が低くなってしまいがちです。
 実質のある審議をおこなう議会にすべきという課題においては、議案審議の方にこそ課題は山積しているようです。

編集後記
「松阪市議会だより」9月号(第163号)には、がっかりしました。この号は、6月議会を特集しているのですが、一般質問が省略されています。わたしが知る限り、一般質問が載っていない議会だよりは、他市を含めて知りません。
6月議会では代表質疑(会派代表)8件と、一般質問がありました。代表質疑は掲載しているのに、一般質問は紙面の片隅にも載っていません。
一般質問の質問者は、わたしを含め、たった3人でしたが、市議会だよりは議会の広報誌である以上、質問内容と答弁はきちんと掲載すべきでしょう。

 

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